昭和63年9月12日
王子田楽調査会最終総会での本田安次会長ご挨拶
[北区会館(当時)にて]


「戦後もう復活できないのではないかと故宮尾(しげお)さんらと話していたもの
ですが衆(田楽衆)の方々と(北区)文化財(係り)の皆さん方、また王子神社の
ご配慮で、 このたび立派に復興が成りました。


日本のかけがえもない文化財が亡くなろうとしていたときに復興できて日本の
ためにも 良かったですね。


田楽は全国でだんだん寂(さ)びれました。残っているものは、それも立派に残っ
ている のは少ない中、こちらでは戦前とほとんど同じに復興されました。


無形の国宝 がここに助かったということは感動にたえません。
ここの田楽(王子田楽)は
諸国随一立派 といえます。これからの維持が大事で
す。


古くて、華やかで、昔の面影を残した、古典としての美しさをもって残された こ
の貴重な王子田楽
を、今後も、 日本のためにも、維持していって欲
しい
と思いますね。」

ご検証中の本田安次先生・・・ご冥福をお祈りします。

昭和63年8月、王子神社田楽祭として復興出来た田楽行列を
ご検証中の本田安次先生(腕章)


本田安次先生のご紹介
明治39年3月18日福島県生まれ。早稲田大学文学部卒業。
宮城県石巻中学校(後高校)教諭。早稲田大学教授のち名誉教授。
文化財保護審議会専門委員。民俗芸能学会名誉会長。
王子田楽調査会会長。文化功労者。平成13年3月19日御逝去(94歳)



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